ABOUTBefore it talks about mebius

メビウスを語る前に

メビウスの魅力

メビウスの魅力を語る前に、日本ではあまりなじみのない馴染みのない、フランスの漫画について語る際に必要な独自の用語をについて説明していきます。 日本の「漫画(Manga)」やアメリカの「Comics(アメコミ)」が全く異なった独自のスタイルを持っているように、フランスの漫画でも、独自のスタイルをもっています。そのため、フランスの漫画特有の用語が多く存在します。

バンド・デシネ(Bande Dessinee)、 ベデ( B.D.)

フランスの漫画のこと。ベデ(B.D.)は略称であり、直訳すると「描かれた帯」という意味になる。これは続き漫画であるということを意味している。その絵の美しさや高尚なストーリーからフランス語圏で漫画は「9番目の芸術」として認識されており、批評や研究の対象となっている。

アルバム(Album)

フランスの漫画の単行本のこと。ただし、フランスの漫画は独自のスタイルを持っており、日本の漫画の単行本とは大きく異なる。フランスの漫画は基本的にオールカラーで描かれており、一冊のページ数は平均50ページ前後、装丁はハードカバーのものが主流となる。そのため販売価格が高価になり、日本の漫画の五倍程度、2000円前後のものが主流。装丁や価格の面から、「漫画」の単行本というよりは、絵本や画集に近い印象を持っていると言える。

ポートフォリオ(Portfolio)

フランスの漫画の画集のこと。基本的にセリフは付いておらず、連作の形でストーリー仕立てになっているものもある。フランスの漫画の絵の美しさを堪能するには最適と言えるが、日本でポートフォリオを手に入れるのは、フランスの漫画の単行本を手に入れる場合よりもさらに困難である。

シリーズ名、タイトル名(Serie, Titre)

フランスの漫画は基本的に書き下ろしで発表され、単行本のタイトルのつけ方が日本とは異なります。日本の漫画で同じ作品が複数の巻にわたって刊行される際、巻数の違いのみを表示し、作品の題名自体を変えることはありません。たとえば「作品タイトル 第1巻」「作品タイトル 第2巻」というようになります。一方フランスの漫画は、最初から単行本での刊行を見越した形で作品が発表されるため、おなじ作品が複数の巻にわたって刊行される場合、それぞれの巻に副題が付くのが一般的です。例を挙げると、メビウスの代表作「ランカル(L'INCAL)」シリーズは全6巻ですが、それぞれの巻に『ランカル 第1巻 闇のアンカル』『ランカル 第2巻 光のアンカル』というように、副題が付いていきます。これらは通常、「シリーズ名(Serie)」と「タイトル名(Titre)」の違いとして捉えられているようです。日本の漫画で似た例を探すならば、手塚治虫の「火の鳥」を挙げることが出来るでしょう。『火の鳥 第1巻 黎明編』『火の鳥 第2巻 エジプト編』などと言う場合の、「火の鳥」がシリーズ名、「黎明編」「エジプト編」がタイトル名に相当します。

ストリップ(Strip, Comic Strip)

フランスの漫画の画集のこと。基本的にセリフは付いておらず、連作の形でストーリー仕立てになっているものもある。フランスの漫画の絵の美しさを堪能するには最適と言えるが、日本でポートフォリオを手に入れるのは、フランスの漫画の単行本を手に入れる場合よりもさらに困難である。

漫画、「漫画」、バンド・デシネ、アニメ、「アニメ」 / Dessin, Manga, Bande dessinee, Dessin anime, Anime

日本では、アメリカやフランスの漫画も含めてすべて"漫画"(もしくは"マンガ""まんが"等)と呼ばれていますが、フランスでは各国の漫画が全て呼び分けられています。日本の「漫画」は"manga"、フランスの漫画は"bande dessinee"、そして、日本やフランス、アメリカ等の漫画をすべて含めて、総称としての漫画は"dessin"と呼ばれます。同じように、日本の「アニメ」は"anime"、総称としてのアニメは"dessin anime"と呼ばれます。フランスに限らず、英語圏内においても、同様の呼び分けがなされているようです。

展覧会とヴェルニサージュ / Exposition et Vernissage

フランスでは漫画は芸術の一種として認知されています。そのためか、バンド・デシネ作家の個展や展覧会が頻繁に開かれています。フランスに限らず、美術展覧会では、一般に公開する前に関係者だけを集めて特別プレ公開を開催するのが慣習になっています。このようなプレ公開のことを「ヴェルニサージュ」(Vernissage)と呼びます。ヴェルニサージュには作家本人のほか、その作家と親交のある他の作家などが参加し、一般のファンが抽選で参加できることもあるようです。ファンがベデ作家と会うことの出来る貴重な機会になっています。